会報「おいたち」35号   [1] [2] [3] [4]    総目次

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寄稿
    栃尾市における「珪藻土」

栃尾市よったかりうえ一ぶ珪藻土担当 稲田 武

珪藻士産出位置図
図−1珪藻士産出位置図
珪藻土とは

栃尾の珪藻土は200〜300万年前海が後退し て一部淡水化したところに藻が繁殖、それが化 石化したもので、新第三紀灰爪層中に珪藻土層 として存在する。栃尾市道院にその露頭がある。

写真−1珪藻士露頭調査
栃尾の珪藻土との出会い

栃尾のまちづくりを考える団体で「とちおの 住まいを考える会」が一般市民に向けて講演と 研究発表を行った時、珪藻土が快適な住まいづ くりに注目をあびていると話題になり、栃尾で も戦後、栃堀地区で馬に背負わせて運び出し、 業者が買い取っていたとの情報を得た。
   平成12年4月、市民有26人でまちづくり 団体「よったかりうえーぶ」を設立し、その活 動が栃堀地区の「源流の里づくり」をテーマに 新潟県の「一村一価値づくり補助事業」に選ば れ、6月メンバー25人がスコップを片手に、 当時採掘していた地元の人の案内でブッシュを かき分け現地に到着。1.Omほど表土を掘った とき、黄色がかった自っぽい珪藻土を発見、初 めて見る珪藻土にみんなで感激した。

栃尾珪藻土顕微鏡写真
写真−2栃尾珪藻土顕微鏡写真
珪藻土の調査・分析

平成12年10月、メンバー及び地元の人を 含め28名の参加で県立巻高等学校の地学の先 生である山崎興輔先生に調査に同行していただ き、珪藻土の分析や堆積環境の調査を行った。
   当日は珪藻土の断面を見ることと、サンプル を採取するため、バックホウにて掘削。
   先生の説明では、珪藻土層の形成期にこの地 域一帯は広大な湖で、守門火山の運動を知る上 で貴重な資料となるとのこと。また、サンプル は県工業技術総合研究所に送り、電子顕微鏡写 真撮影や分析をしていただいた結果、栃尾産珪 藻土は、淡水棲珪藻土で粘土等の不純物が少な い良質な珪藻土であるとの報告を得た。

珪藻土の利用方法

珪藻土は多孔質で調湿性、断熱性に優れてい ることより現在、利用されている用途は、ビー ル醸造工程におけるろ過助材、バーベキューコ ンロや七輸の原料、住宅等で利用されている調 湿建材等である。
   ワークショップで利用方法を話し合った結 果、現在の発掘揚所は自然の景観を壊すような 開発はせず、学校の学習の場として保存したい。
   また、利用するとしたら消臭、吸湿性に優れ ているので寝たきり老人の床ずれ防止の介護用 品、調湿性をいかした焼物、スベスベ感や自べ とを生かして美容パック等の材料とするなど、 活発な意見が出された。


図−2珪藻土調査地点

地質図
図−3調査地点地質図

断面図
図−4地質断面図

今後の活動

現在の発掘場所での珪藻土の層厚を知りたい のでボーリングによる地質調査を行いたいこと と、地元の人と協カして珪藻土の分布を行って いきたい。

よったかリうえーぶ

よったかりうえーぶは会員39名で20〜7 0歳代まで職業、経歴はさまざまな人たちの集 まりです。
多くの方に参加いただければと思います。

よったかりうえーぶ   代表 田中 正三
TEL:0258-52-5489
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