寄稿
栃尾市における「珪藻土」
図−1珪藻士産出位置図 |
栃尾の珪藻土は200〜300万年前海が後退し
て一部淡水化したところに藻が繁殖、それが化
石化したもので、新第三紀灰爪層中に珪藻土層
として存在する。栃尾市道院にその露頭がある。
写真−1珪藻士露頭調査 |
栃尾のまちづくりを考える団体で「とちおの
住まいを考える会」が一般市民に向けて講演と
研究発表を行った時、珪藻土が快適な住まいづ
くりに注目をあびていると話題になり、栃尾で
も戦後、栃堀地区で馬に背負わせて運び出し、
業者が買い取っていたとの情報を得た。
平成12年4月、市民有26人でまちづくり
団体「よったかりうえーぶ」を設立し、その活
動が栃堀地区の「源流の里づくり」をテーマに
新潟県の「一村一価値づくり補助事業」に選ば
れ、6月メンバー25人がスコップを片手に、
当時採掘していた地元の人の案内でブッシュを
かき分け現地に到着。1.Omほど表土を掘った
とき、黄色がかった自っぽい珪藻土を発見、初
めて見る珪藻土にみんなで感激した。
写真−2栃尾珪藻土顕微鏡写真 |
平成12年10月、メンバー及び地元の人を
含め28名の参加で県立巻高等学校の地学の先
生である山崎興輔先生に調査に同行していただ
き、珪藻土の分析や堆積環境の調査を行った。
当日は珪藻土の断面を見ることと、サンプル
を採取するため、バックホウにて掘削。
先生の説明では、珪藻土層の形成期にこの地
域一帯は広大な湖で、守門火山の運動を知る上
で貴重な資料となるとのこと。また、サンプル
は県工業技術総合研究所に送り、電子顕微鏡写
真撮影や分析をしていただいた結果、栃尾産珪
藻土は、淡水棲珪藻土で粘土等の不純物が少な
い良質な珪藻土であるとの報告を得た。
珪藻土は多孔質で調湿性、断熱性に優れてい
ることより現在、利用されている用途は、ビー
ル醸造工程におけるろ過助材、バーベキューコ
ンロや七輸の原料、住宅等で利用されている調
湿建材等である。
ワークショップで利用方法を話し合った結
果、現在の発掘揚所は自然の景観を壊すような
開発はせず、学校の学習の場として保存したい。
また、利用するとしたら消臭、吸湿性に優れ
ているので寝たきり老人の床ずれ防止の介護用
品、調湿性をいかした焼物、スベスベ感や自べ
とを生かして美容パック等の材料とするなど、
活発な意見が出された。
図−3調査地点地質図
現在の発掘場所での珪藻土の層厚を知りたい のでボーリングによる地質調査を行いたいこと と、地元の人と協カして珪藻土の分布を行って いきたい。
よったかリうえーぶ
よったかりうえーぶは会員39名で20〜7
0歳代まで職業、経歴はさまざまな人たちの集
まりです。
多くの方に参加いただければと思います。
よったかりうえーぶ 代表 田中 正三 |
TEL:0258-52-5489 |